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シリーズ:Aerospace MBA -バルセロナ(?)に憑かれた男-
2016年2月29日11:07 午前 カテゴリー:Hyappen BLOG
たった1年数ヶ月の間でしたが、筆者と家族はフランスのトゥールーズで暮らしました。
フランス航空宇宙工業会(GIFAS)の奨学金制度(FASIA)を活用して、Toulouse Business School のAerospace MBAを学びに行きました。
着いたのは夏の始まり。見るもの、触れるものが全て面白くて、サマープログラムのフランス語特訓にのめり込みつつ、暇さえあれば家族で小旅行に出掛けてました。
秋にMBAが始まると、土日もなく勉強に追われる日々でしたが、家族とクラスメートとホストファミリーの協力で何とか乗りきりました。地元の幼稚園に通わせた息子が日々頼もしく成長していくのも励みでした。
冬になると、日が射さなくなり、冷たい風と雨に鬱々としてきますが、座学の仕上げに入ると共に、インターンシップの準備が本格化します。レジュメと提案書を書き上げて、春先からあらゆる人脈を辿って、自分を売り込みに行きます。
春から夏は、インターンシップで新たな上司や同僚を得て、「日本人のレベルの高さをすぐに思い知らせてやる」意気込みで仕事をします。(私は本当に幸運にも最良の上司を得ました。そんな彼もバケーションで5週間居ませんでしたが。。。)
今まさに、そんな冬~春の季節を、Toulouse Business School のAerospace MBAで迎えている熱きサムライがいます。最近急激にAerospace MBAについて質問を受けることが増えたので、興味をお持ちの方に代わって、私が代表質問を彼にぶつけてみました。
質問:Aerospace MBAではどんなことが学べるの?
たくさんあり過ぎて何から話したら良いか迷いますが、シリーズ第1回ということでシラバスについてご紹介します。
まず、マネジメントのコアスキルとなるMBA科目(戦略、マーケティング、ファイナンス、組織・人事、マクロ・ミクロ経済学など)が最初の3か月、次の3か月で少し分野を絞った科目を学び(アライアンス、リーガル、サプライチェーンなど)、その後の2ヵ月で専門をさらに絞ります(空港のビジネスモデル、エアラインの就航地決定戦略など)。
全科目、ピックアップされるケーススタディは、航空宇宙に係るものです。
その後の卒業まではコーポレートミッションと呼ばれ、インターンシップか、企業と連携しならが論文を書く期間になります(標準的には5ケ月)。
1年という短い時間ですが、自分の時間をどのように配分するかで、苦手分野や興味のある分野を深く学ぶことが可能です。私は、どうしてもマクロ経済学とコーポレートファイナンスに対する思いが強いので、他の科目の期間でも、時間を見つけてそれらの科目を深堀するようにしていました。
質問:プログラム全体のうち、2月時点ではどの辺まで終わっていて、今何をしているの?
1月初めにコアスキル科目が終わり、次のフェーズでここ数日はナレッジマネジメントの授業を受けています。個人の知見を蓄積し、組織として共有・活用していくためには、現状どのような問題があり、どうやって解決できるのかを学んでいます。
質問:今までで一番印象深かった科目は?今までで一番苦労した科目は?
印象深かったのは戦略の授業ですね。戦略コンサルティングファームに居た者としては学ぶことは少ないと、正直甘く見てましたが、そんなことは全くありませんでした。(自分の驕りを反省。学校に感謝です)
例えば、マイケル・ポーターの5フォースをフレームワークに使ってみようと教授が言う。その時点では全然萌えないわけです。でも、エアラインがなぜ航空業界の中で最も利益率が低く不安定な環境に置かれているのか、それでも尚、なぜLCC(Low Cost Carrier)の新規参入が増えているのか。Boeingの戦術に対し、Airbusがどのように反応し対等な立場にまでのし上がったのか、要所でAirbusが違う戦術を選んでいたら今の立場はどうなっていたのか。こんなことをきちんと理解するためにフレームワークを使おうと説明されるわけです。
ワクワクしましたねぇ。しかも、こういう論点を航空業界のプロフェッショナルと共に学び、議論するのは飛行機好き、戦略好きとしては最高の時間でした。(早く実践したい!!)
苦労したとはちょっと違うかもしれませんが、自分の無知を実感したのはマクロ経済学ですね。経済学部の方や日ごろからマーケットを見ている人からすると当たり前なのかもしれませんが、各国の政策がどのように相互に影響して為替変動やその他国の経済に影響を与えるのか、その影響に対応するために各国がどう政策を打ち出し、それが企業にどれくらい影響を及ぼすのか。
このように世界経済でどのようなことが起こっているのかということを軸に企業への戦略提案を行えるともっと付加価値を付けられるのではないかと思いました。いつも目の前の仕事に追われて、ここまで大局的に物事を見ることは全くできていませんでした。
補足ですが、授業ではマクロ経済学を元にした企業への戦略提案までは学びません。個人的に無知を実感し、本や文献を読んで知見を深めました。1つ目の質問でも触れたように、授業をきっかけとして自分の興味のある分野を空いた時間で深めることができるのが学生の良いところですね。仕事しながらでは時間作るのは難しいと思いますから。
質問:クラスの雰囲気はどんな感じなの?クラスメートはどこから来てるの?教室の外での付き合いはあるの?
今年のクラスの人数は27人で、30%がフランス人、30%が中国人、その他インド、南アフリカ、イギリス、メキシコ、オマーン、日本といった構成ですね。日本人は私含めて二人です。最年少26歳、最年長50歳と、だいぶ幅広く、平均すると30歳くらいでしょうか。
MBAの最初に泊りがけでチームビルディングというお互いのことを知る取り組みがあり、最初から和気あいあいとし、5ケ月経った今は一体感が出てきて家族のような雰囲気です。
教室の外でも飲みに行くのはもちろんのこと、映画を見たり、週末にテニス・ゴルフ・旅行をしたりと多くのイベントをそれぞれが企画して楽しんでいます。個人的にはテスト後のビールが最高ですね!
質問:日々の生活はどんな感じなの?何を食べてるの(ずいぶん痩せたみたいだけど笑)?
学校は9時から、終わるのは17時くらいです。月曜から金曜まであって土日が休みですね。他のMBAもそうだと思いますが、ここも漏れなく忙しく、平日は基本的に家に帰っても勉強しかしてないです。(隙あらばクラスメイトと飲んでいますが。笑)
フランスに来て最初の頃は料理していましたが、最近は全くですね。パスタ茹でてパスタソースかけて過ごしています。(男子学生の一人暮らしの典型例でしょうか。そりゃ痩せますよね。5ケ月で10kg以上減っています。)
質問:どこか旅行行った?どこが一番良かった?
忙しいと言いつつ、隙を見つけて出かけていたので近隣には足を運びました。ミュンヘンのオクトーバーフェストに始まり、パリ、ボルドー、マルセイユ、バロセロナ。トゥールーズの近隣も海やら山やら大自然に囲まれているので息抜きに最高ですね。
一番良かったのはバロセロナです(トゥールーズではない笑)。トゥールーズから車で4時間くらいかけて行き、3日間滞在しました。王道ですがサグラダ・ファミリアは一見の価値があり、塔に上って見たバロセロナの街を一望しながらの夕日は目に焼き付いています。
トゥールーズ近隣ではなく、バルセロナなのね笑。確かにトゥールーズは旅の拠点として最高ですね。筆者もバルセロナは何度か行きました。
Aerospace MBAに興味ある方、ご質問あれば遠慮なくご連絡ください。
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