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Airbus、カナダのBombardier社C series事業に出資

この記事は

Airbus press release “Airbus and Bombardier Announce C Series Partnership

を参照しています。

BombardierのC series 事業に50.01%出資

 

ビッグニュースが飛び込んできました。これは、従来の航空機業界のステークホルダーマップが変わる瞬間です。

 

2017年10月17日、エアバスが、カナダの航空機製造メーカーBombardier社が製造するジェット機C シリーズの事業会社「C Series Aircraft Limited Partnership(以下CSALP)」の株式を過半数取得し、パートナーシップを結んだと発表しました。

 

このパートナーシップにより、エアバスとボンバルディアのプロダクトラインがまとめられます。

この提携については、2015年頃から交渉が断続的に行われており、一時は交渉中止が発表されていましたが、ようやく整ったようです。

 

CシリーズはCS100(108-135 席)とCS300(130-160席)のふたつのラインナップを持ち、これまでに確定発注だけで350機以上の発注を得ています。100-150席クラスのマーケットは、今後20年間で6000機以上の需要があると見込まれています。

 

エアバス社によれば、エアバスの世界的な規模と、ボンバルディアの新しいファミリーのコンビネーションは、カスタマー・サプライヤー・従業員および株主に重要な価値をもたらす、としています。具体的には、エアバスのサプライチェーンの恩恵を受け、Cシリーズの製造コストは大幅に削減できると予測されています。

 

ケベック州のCSALPの本社および組み立て工場は、両者のグローバルサプライチェーンのサポートにより維持されるとのことです。またアラバマ州モービルに、アメリカのカスタマー向けに第二最終組み立て工場を設立するとしてます。

 

二強不在だったリージョナルジェット市場

 

座席数100程度の機体は、短距離ジェット機、時にリージョナルジェットとも呼ばれます。

 

このクラスの機体は、Boeingは737-600(110-132席、Boeing web siteより)、エアバスはA319(107-132席、Airbus web siteより)という機体を製造していました。しかし、これらは基本設計である737や320の胴体を短縮したタイプであり、機体設計が効率的でなくなってしまうという事情もあって、最新型である737MAXシリーズやA320neoシリーズのラインナップにはなくなっています。

 

この二強が不在のマーケットにあって、存在感を放ってきたのがカナダのBombardier社とブラジルのEmbraer社です。

 

Bombardier社の主要ラインナップはCRJファミリーおよびCシリーズです。CRJシリーズは100席以下の小型ジェット機で、合計1600機以上が生産され、ボンバルディア社を世界屈指の航空機製造メーカーに押し上げた立役者とも言われています。

そのボンバルディア社が2013年に初飛行を成功させたのがCシリーズのCS100であり、CS300は2015年に初飛行を成功させていますが、大幅な開発遅延を起こしており、発注キャンセルも生じるなど、ボンバルディア社を経営難に陥れる直接的な原因になっています。

 

一方、Embraer社も、ERJやE-jetシリーズを製造しています。これらのシリーズも、CRJおよびCシリーズと同等の機体であり数多くを製造・販売しています。ボンバルディア社の開発遅延もある中で近年の受注実績は好調を維持し、リージョナルジェット市場でのプレゼンスを高めてきました。

 

MRJへの影響は

 

もともと、ボーイング・エアバスがリージョナルジェット市場において不在であり、この二強と競わなくても良いというマーケットが、MRJの新規参入を後押しした経緯があると考えられます。

 

 

MRJはMRJ90とMRJ70の2クラスで、MRJ90が標準座席数88です。従い、座席数の観点では、Cシリーズとは異なるセグメントと見ることも出来ますが、だとしてもCRJのマーケティング戦略に変化が起こることは必至でしょう。

 

座席数 Bombardier Embraer 三菱航空機
130-150席 CS300    
100-130席 CS100 E-jetシリーズ  
100席以下 CRJシリーズ

E-jetシリーズ

ERJシリーズ

MRJ90

MRJ70

 

今後の世界動向は

 

今回、エアバスはボンバルディア社を窮地から救う形で、自社のラインナップにCシリーズを加えました。

 

このエアバスの動きが、Boeing-Embraer連合、中国-ロシア連合につながるコーナーストーンになるのでしょうか!?